長期インターンを始めたいと思い、求人サイトやアプリで検索すると、営業職の募集が多くを占めています。文系就職ならとりあえず営業かなぁと、なんとなく考えている人も多いはずです。しかし、一概に営業といっても様々な種類があるため、自分が行きたいインターン先を絞ることはなかなか難しいものです。
「数ある営業の長期インターンの中で、どれを選べばいいのかわからない…」
「そもそも営業という職種は自分に合っているのか?」
「営業では、具体的にどんな仕事をするの?」
今回はこのような疑問について、営業の種類や身につくスキルを紹介しながらお答えしていきます。この記事を読んで営業職についての理解を深め、自分に最適な長期インターンを見つけましょう!
1.長期インターンとは
長期インターンとは、長期間(3か月以上)にわたり、実際に就業することです。社員と同様に働くことになるので、責任感が大きい分やりがいもあり、早くからビジネス経験を積むことができます。
より評価されるガクチカを作るため、実践的なビジネススキルをつけるため、就活での選考を有利に進めるためなど、長期インターンをする学生の目的は様々です。
ほとんどの長期インターンは有給で、お金をもらいながら、仕事に必要な知識やスキルを身に付けられます。就活への不安も払拭することができ、一石二鳥ですね!
2.営業とは
営業とは、企業などが利益を得ることを目的として、業績を向上させるために行う活動のことです。たとえば販売や、得意先を回って商品を紹介して売り込みをすることなどが挙げられます。
長期インターンで経験できる営業と聞くと、テレアポ(電話営業)のイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。しかし、実際には様々な種類の営業の募集が存在します。どれを選ぶべきか迷ってしまいますね。
では長期インターンではどのような種類の営業が経験できるのか、営業先、営業手法に注目してみていきましょう!
3.営業の種類
3-1.営業先でみる(どんな相手に売るのか?)
どんな相手に売るのか?という視点からは、大きく二つに分類できます。
①「個人営業」
一般消費者に対して自社の商品を売るお仕事です。To C営業とも呼ばれます。
個人営業では、法人営業よりも金額の小さい商材を扱うので、契約数を取りやすい傾向にあります。早期に成果を残しやすいので、努力の成果をすぐに形にしたい人にはおすすめです。
また、お客様との信頼関係を築き、相手の感情を動かすことが必要になります。論理的かつ情理的に考えることができる人にも向いています。
②「法人営業」
企業などの法人に対して自社の商品を売るお仕事です。To B営業とも呼ばれます。
インターン先の業務内容によっては、中小企業だけでなく大手企業を相手にすることもあります。また経営者の方とも接する機会があるかもしれません。
法人営業では、個人営業よりも金額の大きい商材を扱うので、契約がとれたときのやりがいも大きいです。インパクトのあるガクチカを作りたい人にはおすすめです。
3-2.営業手法でみる
お客様へどうアプローチするのか?という視点からは、長期インターン募集でよくみかけるものの中から、4つご紹介します。
①テレアポ営業
テレアポ営業とは、多くのアポイントを取ることを目的として、顧客に対してアポイントを取るお仕事です。
アポ取りは基本的に電話で行うことが多く、ターゲットリストに記載された企業や個人に電話をかけて、自社の商品やサービスを紹介します。ほとんどの場合はトークスクリプトがあるので、テレアポ営業をしたことがなくても取り組みやすいです。インターン先によっては、ノルマがある場合もあります。
テレアポ営業では、具体的かつ簡潔に物事を伝える力を身に付けることができます。
一方で、テレアポ営業ではお客様に断られることのほうが断然多いです。きつい言葉で断られる可能性もあるので、自分の営業に対するモチベーション管理をしっかりすることが大切です。
②インサイドセールス
インサイドセールスとは、自社の商品やサービスに興味のあるお客様に対して営業をかけるお仕事です。電話やメール、Web会議システムを用いて、内勤で営業活動を行います。顧客の検討状況や顧客のニーズをヒアリングし、フィールドセールスに繋ぎます。
自社の商品に既に興味を持っている顧客がある程度存在することが前提なので、この職種を経験できるインターン先は、ある程度大きな会社が多いです。
インサイドセールスのお仕事では、顧客のニーズを正確に把握するヒアリングスキルが身に付きます。一方で、自分が契約をとるわけではないので仕事の成果が見えにくいという一面もあります。PDCAサイクルを回して、自己成長を実感できるようにするとよいでしょう。
③フィールドセールス
フィールドセールスは、訪問営業など実際に顧客や企業のもとへ足を運んで営業をかけるお仕事です。よく耳にする「外回り」などはフィールドセールスのお仕事に分類されます。
一般的にはインサイドセールスが行われた後に、その情報を元にして訪問営業などを行います。テレアポ営業やインサイドセールスなしに営業をかけることを飛び込み営業と言いますが、これもフィールドセールスのひとつです。。
しかし、顧客や企業と直接的なコミュニケーションを取ることになるので、コミュニケーションスキルが向上するだけでなく、顧客との信頼関係の築き方も学ぶことができます。
④営業事務・アシスタント
営業事務とは、資料作成や顧客対応、管理業務など、営業組織のサポート業務を行うお仕事です。アシスタント業務では、顧客との電話・メール対応や、見積書・納品書の作成なども行います。
営業事務のお仕事では、事務作業をすばやく正確に行う事務処理スキルや、WordやExcelなどのPCスキルが身に付きます。これらのスキルは、どんな業界でも必須のスキルであるため、学生のうちに身に付けておいて損はありません。花形の営業と比べると、裏方的な役割のため目立つことは少ないです。しかし、営業に携わる業務なので会社への貢献度を数値で実感できる場面が多々あり、やりがいを感じながら仕事をすることができます。
4.営業長期インターンの給与形態
①時給制
一般的なアルバイトと同様に、働いた時間で給与が変わる時給制の長期インターンが多いです。営業長期インターンの場合、アルバイトよりも時給が少し高めに設定されている傾向があります。
勤務時間によって収入がわかるため、今後の計画が立てやすい、働いた分が収入に繋がるというメリットがあります。
なかには、営業成績によって時給を調整する企業も存在します。
②完全成果報酬制
業務上で目標が課されており、その達成度によって給与が決まります。自分が出した成果の分だけ給与が増える仕組みです。
営業長期インターンでは、「1契約につき〇〇円」、「1アポイントにつき〇〇円」のように金額が設定されている場合が多いです。優秀かつ成果を出すのに十分な時間をインターンに割いている人のなかには、相当の金額を稼いでいる人も存在します。
1契約あたりの報酬金額は、扱う商材やサービスによってかなりの差が出ることもあるので、インターンを探すときに確認してみてください。
完全成果報酬制では、自分の努力の成果が直接給与に反映されるため、モチベーションの維持に繋がるというメリットがあります。
③時給(固定給)+インセンティブ
上記二つを組み合わせた給与形態です。時給(または固定給)と、成果報酬によって給与の金額が決定します。時給や成果報酬の金額は、上記二つよりは低く設定されていることが多いです。
営業長期インターンを初めて間もない頃は、思うように成果を出せないこともあります。しかし、時給(固定給)が給与として支給されるので、努力したのに給与が入らないという心配はありません。
5.営業長期インターンで身につくスキル
①コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、大きく2つの側面に分けることができます。
1つ目は、相手の言うことを正しく理解する能力、2つ目は、自分の伝えたいことを適切に表現して相手に理解してもらう能力です。
営業では、まず短い会話の中からでも相手のニーズを正確に読み取ることが必要です。その後に、そのニーズに合った提案をわかりやすく顧客に伝えなければいけません。営業において、このコミュニケーションにおける2つの能力は必須であり、これができなければ契約を取ることができません。契約を取れるようになったきたということは、これらの能力が身についてきたという証拠です。
また、これらのスキルは就活の面接でも役に立ちます。面接官の質問の意図を正確に読み取り、適切な回答をすることは簡単そうで意外と難しいことなのです。
②論理的思考力
論理的思考力とは、物事を体系的にとらえ、筋道を立てて考える力のことです。
営業では、伝えたいことを顧客に短時間で正確に理解してもらうことが必要です。そのためには、結論までの道筋を順序立てて説明しなければいけません。毎回の営業でこのステップを踏むので、徐々にこの力が身につくはずです。
物事を順序立てて考えるにあたっては、現状の課題を整理して新たな課題を発見し、その課題を解決する方法を模索して実行に移す能力も身に付きます。
論理的思考力をつける過程で、就活でも使えるような他のスキルも身に付けることができるのです。
③手に職をつけられる
様々な職業がAIや人工知能にとって代わられる時代でも、対人能力・提案力・分析力が必要な営業職は今後も減らないといわれています。AIなどテクノロジーを取り入れている企業ほど、今後の営業職の採用に前向きであるというデータが存在するのです。
また、文系の学生の場合は約7割が営業職を経験すると言われており、学生のうちに長期インターンで営業を経験しておくことで、早くからキャリアを優位に進めることができます。
6.営業長期インターンで大変なこと
①精神的ストレスを感じる可能性がある
営業という仕事は簡単ではありません。自社の商品やサービスに興味がない人を対象に営業をかける機会も多く、魅力的に商品を提案しても断られることはもちろんあります。契約が成立する数よりも、断られる数のほうが多いこともざらにあるのです。
また、契約数やアポイント数にノルマが課される企業も多いです。アルバイトではなく、長期インターン生として企業に就業するので、社員と同程度の高いレベルを求められる可能性もあります。なかなか思うように成果が出ず、悩んでしまう人もいるかもしれません。
しかし、誰でも最初からはうまくいきません。少しずつ経験を積み重ねることによって、営業に必要なスキルが身についてくるはずです。
②想像していたイメージと違う
営業と聞くと、バンバン契約をとって売上をあげるイメージがあるかもしれませんが、実際は断られることのほうが多いのが現実です。
また研修制度がある企業が多く、入社後すぐには営業のお仕事ができるわけではありません。研修期間の長さは様々ですが、企業が求める最低基準を満たしているかを計るテストに合格してから、営業のお仕事を任せてもらえるところが多いです。
一方で、研修である程度基礎を身に付けておくと、実際に営業を始めてからの成長が早いというメリットもあります。
ノルマや研修制度はあるのか、どんな商品やサービスをどのような手法で販売するのかを事前に調べる、もしくは面接で聞くことで、ミスマッチを防ぐことが大切です。
7.営業長期インターンをしてから就職した人の経験談
では営業長期インターンを学生のうちに経験してから就職した方に、社会に出てその経験がどのように生きたのかを教えてもらいましょう!
①メンタル強化と責任感が身につく
「学生から社会人になって、仕事の責任感が重くて耐えきれない人がいます。しかし、社会人になってもメンタルや責任感の部分で苦に感じることはありません。社会人になる前の心構えのようなものが、学生のうちに自然と身についていたのかもしれません。」
「また、大人(営業先)の社会人に対して、最初から物おじせずに自信を持って話すことができました。学生の頃から大人と話していた(営業していた)ので、1年目っぽくなく、自信ありげに話すことができていたと思います。」
②質問に対して正確に答えられる力がつく
「就活の面接では、質問に対する回答ができていない学生が意外と多いです。しかし、営業力を身に付けることで、相手が何を聞きたいのかが正確に把握できるようになったので、面接でも社会人になってからの営業でも、しっかりとQ&Aが成り立つようになりました。」
「また、お客さんへの電話のかけ方、敬語の使い方などの基礎的なビジネスコミュニケーションが身に付いたので、社会人なって1歩リードできました。」
8.営業長期インターンに向いている人の特徴
①常に相手目線で聞き上手
営業では、常に顧客目線で考えることが大切です。顧客からみたら、自社の商品やサービスがどう見えているのか、どう感じているのかを意識しないと、顧客のニーズに正確に答えることはできません。
また、顧客に話したいと思ってもらえなくては営業が始まりません。相手の話に注意深く耳を傾け、欠かさずリアクションをすることで、信頼関係を築くとともに顧客から必要な情報を聞き出すことができるのです。
②根気がある人
精神的にタフで、根気よく努力できる人は営業に向いているといえます。
今までも説明した通り、営業をかけた際に冷たく断られてしまうことも多々あるでしょう。その度に落ち込んでしまっていては、いつまでも売上を伸ばすことができません。
精神的にタフな人は、何度失敗してもその経験を活かして次のステップに進むことができます。
そして、営業はアポイントを取る、アポイント数をこなすなどの地道な作業も案外多いのです。根気よく地道に仕事ができる人は、営業職を続ける素質があります。
9.後悔しない営業長期インターンを探そう!
本記事では、営業の種類や実際の業務がどんなものかを詳しくご紹介しました。実際に自分が営業職として働いているイメージが湧いたでしょうか?
営業を学生のうちに経験しておくことで身に付けられるスキルは、就活でも、社会人になっても活かすことができるものばかりです。
自分が身に付けたいスキルから営業長期インターンを探したり、自分が向いている営業手法から探したり、給与形態から探したりと、自分に合った探し方でミスマッチを防ぎましょう。
営業が向いている人の特徴に自分が当てはまっていないと感じてしまっても、営業職をあきらめる必要はありません。営業を経験してみたい、営業で習得できるスキルを身に付けたいという思いがあれば大丈夫です。
最後までお読みいただきありがとうございました。営業をはじめてみたいと思っている方も、そうでない方も、この記事をきっかけに後悔しない営業長期インターンを探してみませんか?
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