みなさんは『学生時代に頑張ったことは何ですか』と聞かれ、パっと思いつきますか?
私自身、就活生と面談をしていてよく聞くのが『ガクチカがない』という心配です。
「就活動きだすの遅かった…」
「大学生活何もしてなくて話せるガクチカがない…」
「力を入れて頑張ったことが思いつかない…」
しかし、ガクチカは面接で聞かれる必須項目であり、志望理由や自己PR以上に重要になってくる場合があります。要は、このガクチカ対策を取らなければ、就活は不利になるということです。
今回は、就活を目前にして「ガクチカってどすればいいの?」「ガクチカで何も話すことがない!」と悩んでいる大学3年生に向けて、元人事が経験をもとにガクチカ作りについて解説していきます。
1.ガクチカとは
1-1.そもそもガクチカってなに?
ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと、頑張ったこと」の略称であり、就活での面接では頻出質問になります。
ガクチカで学生がよく使う内容としては、サークル活動やアルバイトが多く、人によっては長期インターンやボランティアなど様々です。
就活で有利に進むためには、他の学生が話す多くのガクチカより、面接官の目に留まらなければなりません。人事を経験していた目線からお伝えすると、サークル活動やアルバイトを使う学生の内容は、近しい場合が多く目立ちにくい可能性があります。
本記事ではどのようにして学生と差別化していくべきか説明していきます。
1-2.ガクチカって本当に重要?
結論、重要です。なぜなら、ガクチカでその学生が会社に入社した際に何ができるかを見ているからです。
想像してみてください。面接の際にただ「コミュニケーションに自信があります!」「売上を出せる自信があります!」と言われただけで、何も根拠がなかったらどうやってその力が本当にあるかどうかを見分けられると思いますか?
この会社に貢献できる力があるかを見分ける根拠として、ガクチカのエピソードが重要になってくるのです。「学生時代に長期インターンで営業トップになった経験を活かし、営業で売上に貢献できる自信があります!」と言われた方が、本当に力を持っていそうだなと思ってもらえるでしょう。
よくガクチカが重要ではないという記事も見かけますが、私が実際に人事をして学生を見極めていた側からお伝えすると、学生時代に何をして来たのかは重要度を高くして見ていました。
1-3.面接官がガクチカに求めていること
①再現性
まず1つ目が、再現性です。「この学生ならうちの会社で活躍できる!」という具体的な根拠があるかをみています。
ただ「売上を立てられます!」「会社に貢献できます!」と言うことは誰にでもできます。そのため、本当に貢献できる能力があるのかをガクチカのエピソードで図っているのです。
ですので、ただ頑張ったことを話すというよりかは、会社で活躍できそうなエピソードで話すことを意識してみてください。
②論理的思考力
2つ目が、論理的思考力です。相手に伝えたいことを明確にし、それを伝えるために物事を分かりやすく整理して伝えることが出来るかを見ています。
これは社会人にとっては重要な力であり、身に付けると仕事がしやすくなります。社会人になると会社内では上司や同期、部下、会社外ではクライアントなどと商談や交渉をするため、円滑なコミュニケーションを取ることが求められます。
例えば、上司に自分の考えた企画を通すためにプレゼンをする際、もし複雑に説明してしまったらその企画は通りません。そのため、いかに自分の伝えたいことを相手が理解できるように整理して伝えられるかという話す力は非常に重要になります。
したがって、面接官はガクチカのエピソードが論理的で、相手に伝えたいことを分かりやすく話せているかを見ているのです。
ガクチカは内容だけではなく構成にも気を付けましょう。
③地頭
3つ目が、地頭です。面接官側の求めていることをどこまで理解して対応できているのか、また、話し方や所作を見てポテンシャルを測っています。
企業側は、その学生の将来に期待して新卒採用をします。そのため、入念に準備できる質問応答以外も評価対象です。
ガクチカは面接官にさらに深ぼられたりするため、予期していない質問でも相手の質問の意図を理解して、受け答えしなければなりません。また、ひとつひとつの受け答えの所作にも焦点がおかれます。
そのため、よく聞かれそうな質問以外も入念に準備し、何回もケース対策をしましょう。
2.ガクチカをつくりたい学生におすすめ3選
2-1.長期インターン
まず、1つ目におすすめなのが長期インターンです。ガクチカで調べると、よくおすすめとして出てくるかと思いますが、やはり私の経験としても一番におすすめします。
なぜなら、面接官の目に留まるようなエピソードをいくつも作ることが出来るからです。そもそも長期インターンという名前はよく聞くものの、実際1ヵ月参加している学生は5.2%、3ヵ月以上参加している学生は2.9%しかおらず、ほとんどの学生がサークルやバイトをガクチカとして利用しています。
まず、その時点で他の学生とは差別化が出来ます。
また、長期インターンは実際に社会人と同じ業務を任されたりします。そのため、社会人レベルで数字に向かって仕事をこなしたり、自分自身の成長に繋がるような経験をすることが可能です。先に社会で働くことで、会社はどういった人材を欲しがるのか、どういう人が活躍できるのかが分かると思います。
このように会社側の立場を知ることで、就活で有利になるような経験が何かを把握でき、面接では目に留まるようなエピソードを話すことが可能です。
2-2.0から創り出してみる
2つ目は0から創り出してみる経験をすることです。大学生活は、講義やバイトなどで基本的に仕組みが出来上がっている中を、ただ生活していることがほとんどです。
しかし、企業側は新卒社員を採用する目的として、新しい目線や新鮮な考えを提案してくれることを期待している場合があります。
そのため、この0から創り出すことで、新しいものを考え生み出す力であったり、やり方を学ぶことで会社に貢献できる力があるということを見せることが可能です。
例えば、バイトやサークルでも新人を集める仕組み作りであったり、仕事を効率よくスムーズにする仕組みを0から創り出せると評価の高い強みになります。他には、プログラミングでアプリを作ったり自分のブランドをつくってみるなども良いでしょう。
この0から創り出してみるエピソードは、スタートアップ企業やベンチャー企業の就活で使ってみることをおすすめします。
2-3.再現性のある成功体験をする
「再現性のある成功体験」とは筋が通っているかどうかです。
例えば、ある問題が起きた際には、本質的な課題を捉え的確な解決策を導き出し解決できたかどうか、というような流れのことを指します。
企業側はお金を費やし私たちを雇っています。そのため、「失敗した要因は分からないけど、とりあえず次の活動やってみます。」といった筋が立っていない行動をする人は、たいてい成果が上がらずただの人件費の無駄になるため、雇いたくないはずです。
ですので、例えば「TOIECのスコアがなかなか上がらないとき、まず本質的な原因を見つけてみる。リスニングの場合は、なぜリスニングが不得意なのか、それに合わせた解決策を考え行動する、結果100点上がった。」
このように問題が起きたとき、どのように対処してどんな結果が出たかなどは、再現性のある成功体験のエピソードです。
ここで重要なのは、その解決策をとって『結果が出たか』なので、成果に繋がっていないエピソードを話す際は気をつけましょう。
ガクチカは全部で3つの引き出しを持っておくことが良いとされています。話す経験がない方はぜひ長期インターンに参加してみてください。
3.すぐガクチカをつくりたい大学3年生必見!「営業長期インターン」
ガクチカが重要なのは分かったけど、「結局何しよう」「もう時間ないよ」と不安になっていませんか?
そんな大学3年生が今からやるべきおすすめのガクチカ作りは営業長期インターンです。なぜ長期インターンの中でも営業がおすすめなのか解説していきます。
3-1.短い期間で結果が出る
1つ目が、短い期間で結果が出せることです。そのため面接までに時間がない大学3年生におすすめです。
学生から人気な職種はやはりマーケティングや企画ですが、長期インターンでマーケティングや企画をする場合は注意が必要です。なぜなら、かなりの時間を割くからです。
マーケティングは、結果がでるまで時間を必要とします。商材にもよりますが、最低でも3か月、場合によっては1年かかります。またすぐ成功するわけではないため、そこから失敗と改善を繰り返すとさらに期間を有する可能性が高いです。
一方で、営業はすぐ結果が出ます。なぜなら、お客様がその場で「買う」「買わない」を決めるからです。値段の高い商品やサービスでしたら、短期間で「100万円売上げました」や「成約率80%あげました」というガクチカもつくれるかもしれません。
営業は期間よりも回数で結果がでやすくなっているため、短期間でもおすすめします。
3-2.数字で結果が出る
2つ目が、数字で結果が出ることです。営業は数字で結果が現れます。そのため、面接では自分が今まで頑張ってきたことを定量的に話すことができ、面接官を納得させられます。
就活生のガクチカでよくありがちなのがバイトやサークルです。
「バイトでお客様への対応の仕方を変えました。」「サークルでチームの輪を盛り上げる役割を担っていたのでコミュニケーション力が高いです。」といった自己PRをする学生は多いです。しかし、実際に人事を経験していた身からすると、そういう学生たちは同じにしか見えません。
大切なのは、本当にそのガクチカが面接している会社に貢献すると思ってもらえるかどうかです。このガクチカの再現性を高めるのに、営業の経験はかなりおすすめです。
例えば、「コミュニケーション力に自信があり、そのスキルを活かし営業で成約率70%出せました!」とただ「コミュニケーション力に自信があります!」とでは、説得力は雲泥の差です。このように「何%売り上げたのか」「何か月であげたのか」など明確な数字が出せるため説得力が増します。
会社は利益を出すことが最優先です。そのため、数字で経験を話し利益をだせるポテンシャルがあると、他の学生と差別化ができます。
実際、私が経験してきた中で、営業が一番大きな数字を出すことができた職業でした!
他の学生と差をつけるガクチカが欲しい方は、営業の長期インターンをおすすめします。
3-3.論理的思考力がつく
3つ目が、論理的思考力がつくことです。面接官がガクチカに求めていることでも解説したように、面接においてのガクチカは論理的思考力が重要です。営業長期インターンではこの論理的思考力が身に付きます。
営業は、初対面の方に自社の商品やサービスを買っていただかなければなりません。ですので、いかに相手が抱えている問題を引き出し、その解決策として商材を提案していくかが大切になってきます。
そうするためには、まず自分の伝えたいことを相手に理解してもらわなければいけません。
一般的に、人は伝えたいことの2割しか伝わっていないと言われます。しかし、営業では2割しか伝わっていなければ買ってもらえることはないでしょう。
これは、就活も同じです。自分という商品をいかに面接官に気に入ってもらうかがポイントのため、相手に自分の良さをアピールするためにも、営業長期インターンで論理的思考力を身に着けていきましょう。
3-4.自分に合う職業を経験して決めることが出来る
4つ目が、自分に合う職業を経験して決めることが出来るからです。
新卒文系就職の7割が営業職に就きます。しかし、やはり営業は人によって向き不向きはあるでしょう。ただ、一回就職してしまうとそう簡単には退社することはできません。
そのため、向いていない人は最低でも3年は成果が出ないまま仕事をこなさなければいけなくなる可能性があります。
一方で、営業長期インターンは最低でも3カ月働けばやめることは可能です(会社との契約にもよります)。
ですので、学生時代のうちに営業を経験していれば、向いていると思ったら堂々と営業職に就けますし、逆に向いていないと思ったら、営業ではない職業に就こうという選択が取れたり、新卒では営業職に一旦就くが早く上を目指して企画部署にたどり着こうなど、あらかじめ対策や準備が立てられるでしょう。
営業長期インターンは、ガクチカとして使えるだけではなく、将来を考えたうえで良い選択肢を取れるためおすすめします。
4.今からやるべきガクチカの書き方
ガクチカは、ただ書けばいいものではありません。ガクチカがある方もない方も抑えてほしい要点をまとめました。
4-1.ガクチカの構成を理解する
まずは、ガクチカの構成を理解することです。抑えてほしい構成は以下になります。
①何を取り組んだのか
②なぜ取り組んだのか
③課題と目標は何だったのか
④課題に対しての解決策は何か(工夫点など)
⑤解決策の結果どうなったか
⑥課題解決にあたっての自分の特性、人柄について
⑦この経験が会社にどう活かせるのか
以上の構成で書くことで、分かりやすく効率の良いガクチカを書くことが出来ます。
ガクチカを書き始めようとする際は、まずこの形を意識してみてください。
4-2.数字を入れることを意識する
2つ目は、数字を入れて書くことです。
ガクチカには再現性、要は本当にこの学生は会社で活躍してくれるのかを表す根拠が重要になってきます。その根拠として数字は役立ちます。
例えば、ただ「バイトで良い接客をしリピーターの方を増やしました」だけだとこの学生は会社に入った時、どのくらいリピーター率を伸ばし利益をあげてくれるのかが分かりません。
一方で「営業長期インターンで所作を直し成約率を40%伸ばしました。」の方が、この学生は営業の土台が身についているしどんどん成約率を伸ばしてくれそうだなと期待が持てます。
このように、数字はガクチカエピソードに説得力を持たせてくれるため、入れていくことを意識してみてください。
5.大学3年生でも遅くない!今からやるべきおすすめのガクチカ作りは長期インターン
本記事では、大学3年生向けに今からやるべきガクチカ作りについて詳しくご紹介しました。
ガクチカは、面接官の意図を汲めるかどうかで結果が変わってきます。そこに必要なのが数字や再現性です。
様々なインターンを経験してきた私的におすすめな説得力のあるガクチカは、営業長期インターンです。特別なスキルは不要で短期間で成果も出やすくなっているため、挑戦しやすいことでしょう。
また、本記事や他の記事は全国の大学生が見ているため、ガクチカの書き方などで他の学生と差別化するのは難しいです。
ぜひ、差別化をはかるために長期インターンで自分独自のガクチカをつくりませんか?
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